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『自転車泥棒』(じてんしゃどろぼう、原題: ''Ladri di Biciclette'', 英題: ''The Bicycle Thief'')は、1948年公開のイタリア映画である。監督はヴィットリオ・デ・シーカ。モノクロ、スタンダード、93分。 第二次世界大戦後のイタリアで作られたネオレアリズモ映画の1本で、ロベルト・ロッセリーニの『無防備都市』、ルキノ・ヴィスコンティの『揺れる大地』と並ぶネオレアリズモ映画の代表作である。役所の広告貼りの仕事を得た失業労働者が、仕事に必要な自転車を盗まれてしまい、息子とローマの街を歩き回って自転車を探す物語。職業俳優を使わず素人を起用しており、父親役のランベルト・マジョラーニは失業した電気工、子役のエンツォ・スタヨーラは監督が街で見つけ出した子供である。また、ほぼ全編でロケーション撮影を行い、ドキュメンタリー的撮影手法を用いて戦後の貧困にあえぐイタリア社会をリアルに映し出している。第22回アカデミー賞で名誉賞を受賞。 == あらすじ == 第二次世界大戦後のイタリア、ローマ。 2年間職に就けなかったアントニオ・リッチは、職業安定所の紹介で役所のポスター貼りの仕事を得る。仕事に就くためには自転車が必要だと言われるが、生活の厳しいアントニオは自転車を質に入れていた。妻のマリアが家のベッドのシーツを質に入れ、その金で自転車を取り戻す。新しい職に浮かれるアントニオを見て、6歳になる息子のブルーノも心を躍らせる。 ブルーノを自転車に乗せ、意気揚々と出勤するアントニオ。しかし仕事の初日、ポスターを貼っている最中に自転車を盗まれてしまう。警察に届けるも「自分で探せ」と言われる始末。自転車がなければ職を失う。新しい自転車を買う金もない。アントニオは自力で自転車を探し始める。 友人のバイオッコに相談した結果、翌朝に広場のマーケットへ探しに行くことに。ブルーノを連れて、マーケットへ向かうアントニオ。広場には大量の自転車が売りに出されていたがアントニオの自転車は見つからない。 息子ともに途方に暮れている中、アントニオは犯人らしき男が老人と会話しているのを見かける。男を追いかけるも逃げられてしまい、続けて老人を追う。老人は「何も知らない」と言い張るが、食い下がり老人についていく。老人は施しを行う教会に入った。アントニオとブルーノも中に入って老人を問い詰め、さっき話していた男の住所を聞き出すが、目を放した隙に逃げられてしまう。老人に逃げられたことをブルーノに責められ、アントニオはブルーノの顔をぶってしまう。 ブルーノを慰めるために、高級レストランに入るアントニオ。周囲が豪華な食事をする中、肩身の狭い思いで食事をする。ポスター貼りを続けられればもっと生活が楽になるんだ、だからなんとしても自転車を見つけたい、とアントニオは息子に語る。昨日までインチキだとこき下ろしていた占い師にも頼ってみるが、「すぐに見つかるか、出てこないかだ」としか言われず何の進展もない。 貧民街で犯人とおぼしき男を見つけたアントニオは、激しく男を問い詰める。しかし男は何も知らないと言う。昂ぶった街の男たちに取り囲まれたアントニオの元へ、ブルーノが警官を連れてくる。警官とともに男の家を捜索するが、自転車は見当たらない。証拠もなく、証人もいなければこれ以上の捜査はできないと警官が言う。アントニオはあきらめ、住民に激しくなじられながら貧民街をあとにする。 あてもなく歩き、サッカーの試合を開催しているスタジアムの前で座り込む二人。目の前には観客が乗ってきた大量の自転車。背後には人気のない通りに一台の自転車が止まっている。アントニオは立ち上がり、何度も振り返って一台の自転車を気にする。やがて試合が終わり、退場する観客で通りが混雑し始める。何か思い立った表情のアントニオは息子に金を渡し、先に帰って待っていろと言う。そして背後の通りへ恐る恐る歩いていく。 人気のないことを確認し、自転車を盗むアントニオ。しかしすぐに気づかれ、追いかけられる。数人の男に追われながら、必死に逃げるアントニオを、路面電車に乗り遅れたブルーノが見つける。アントニオは捕まり、男たちに取り押さえられる。泣きながら父にしがみつこうとするブルーノ。男たちが警察に突き出す相談にしているところへ盗まれた持ち主が現れる。ブルーノを見た持ち主は、今回は見逃してやると言い、アントニオを解放する。 弱弱しく歩くアントニオ。次第に涙がこぼれ始める。父の涙を見たブルーノは、強くアントニオの手を握る。手をつないだまま、親子は街の雑踏の中を歩いていく。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「自転車泥棒 (映画)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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